ロシアは東京オリンピックに出場不可?その理由と背景を紹介

先日ロシアが東京オリンピック・パラリンピックを含む主要国際大会から4年間排除されるというニュースが報じられました。ロシアというスポーツ大国がオリンピックに出場できないということで、衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか?

では、この決定にはどのような背景があるのでしょうか?

この記事ではロシアの東京オリンピックへの出場権剥奪について解説します。

決定したのは世界反ドーピング機関(WADA)

ロシアのオリンピックを含む国際的な競技大会への参加を今後4年間禁止したのは世界反ドーピング機関でした。ロシアには長年に渡ってドーピング疑惑がありました。

そのため、WADAはロシアの過去の違反などを調べるために、2019年に1月にモスクワ検査所から検査データを回収しました。

しかし、この改修したデータに多数のデータ改ざんの疑いが浮上したのです。

分析の結果、リオデジャネイロ五輪の前年にあたる15年のデータに削除や修正された箇所は少なくとも数百以上と報告されたのです。

そのため、ロシアは「不適格な組織」と判断され、国際大会への参加が禁止されたのです。

スポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴を検討

CAS Russia Ban

ロシアは今回の判断に対して、スポーツ仲裁裁判所への提訴を検討しています。ロシアのメドベージェフ首相は「ロシア嫌いが今も続いていることを示している」と述べており、WADAの判断がロシア差別であると主張しているのです。

そして、メドベージェフ首相だけではなく、下院議員などからもCASへ提訴をするべきだという声が上がっています。

ロシアはWADAの決定に不満がある場合、3週間以内にCASに訴える必要があります。現時点ではロシア側からの動きは報じられていませんが、また猶予期間があるため、今後の動きに注目です。

ロシア人全員が参加できないの?

ロシアの東京オリンピックへの参加は原則禁止されています。しかし、厳しい条件をクリアした選手のみ個人資格での参加を認められています。

ただし、東京オリンピック出場を目指すロシアの選手は、依然としてこの問題が早期に解決することを望んでいます。

個人資格で出場した場合、表情台に立ったとしても国としての参加ではないため、国歌は流されません。このように個人資格と国の代表として出場では選手にとっても大きな意味の違いがあるので、この判断に納得できていない選手が多いのです。