東京2020オリンピックの延期が正式に決定し、オリンピック熱もいったん落ち着くことになってしまいました。そんな状況下でもオリンピックへの熱い思いを維持するために、あの長野で開かれた1998年の冬季オリンピックを振り返りたいと思います。日本中が感動したあの多くの瞬間を、再び思い出していきましょう。
スキージャンプ競技ラージヒル団体
日本人にとって長野大会のクライマックスとなったこの競技。その壮大なドラマは、永遠に語り継がれるものとなりました。史上最強のラージヒルメンバーを揃えたと評判の日本は、その評判通り1番手の岡部孝信、2番手の斎藤浩哉のジャンプを終えた時点でトップとなります。しかし天候が悪化した中おこなわれた3番手原田雅彦のジャンプは、明白な失敗。原田は前回リレハンメル大会でもジャンプを失敗しており、そのために日本は銀メダルに終わっています。今回も同じ運命を辿ってしまうのかと、原田には大きなプレッシャーがのしかかります。しかし2回目のジャンプで彼はバッケンレコードに並ぶ137mの大ジャンプを見せます。これによりほぼ優勝を決定づけた日本は、最終ジャンパー船木和喜の125mのジャンプにより見事金メダルを勝ち取りました。
スピードスケート男子500m
身体の大きな選手が有利といわれるスピードスケートにおいて、162㎝という小さな体で戦う清水宏保の活躍は、多くの人に感動を与えました。前回リレハンメル大会で5位に入賞し、この長野オリンピックでは、日本史上初めてスピードスケート競技での金メダルを獲得します。この時計測したタイムは、オリンピックレコードを記録していました。その研ぎ澄まされたスタートは「弾丸」と呼ばれ、次のソルトレイクシティ大会でも銀メダルを獲得することになります。
フリースタイルスキー女子モーグル
この競技における日本初の金メダリストとなった里谷多英は、日本人女子初の冬季オリンピック金メダリストともなりました。その素早いターンとコザックは、まさしく金メダルに相応しいものでした。
ショートトラックスピードスケート男子500m
この競技では、西谷岳文が金メダルを獲得しました。彼はこのとき弱冠19歳と1ヶ月で、日本人の冬季オリンピック初となる10代での金メダル獲得でした。
スピードスケート女子500m
岡崎朋美が銅メダルを獲得したこの競技。それは、スピードスケート女子短距離競技において、日本で初めてのメダルとなりました。また彼女の笑顔は「朋美スマイル」と呼ばれ、見る者を魅了しました。